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守備は最大の武器。
ハンドボールから学んだこと
中学生までは、野球少年だった。だからといって、高校でも野球を続けて甲子園を目指そうなんて気はなかった。人と同じことをして、頂点に立てるとは思わなかったからだ。
そんなとき、出会ったのがハンドボールだった。あのスピード感、シュートの醍醐味、コートの上の格闘技といわれる“やんちゃくささ”に、たちまち夢中になった。
ボールは2個きり、空き地にコートを作って、たった8人の友の会からはじめた。それがみるみる上達して、石川県大会で2回優勝。ついにはインターハイ行きのキップを手にした。
ビックリした学校は、 “部”として承認し、壮行会まで開いてくれた。主将である私は壇上で“出陣の言葉”を口にした。
どれほど価値のあることなのか、当時はわからなかった。おとなになって、人に話してみて、どうやらスゴイことをしたらしいと気づかされた。
今も、誇らしく思える私の人生の勲章。
ただ、レアものスポーツの悲しさ。話題にするたびに、「サッカーを手でやるようなもので…」から説明しなければならないのが、もどかしいところだけれど。
それはともかく、「がんばれば夢はかなう」ということを教えてくれたのは、ボランティアでコーチして下さった寺井中学校女子ハンドボール部顧問:井川邦彦先生だった。先生はもうひとつ、大切な教えを授けてくれた。
まず守りを固めろ。守備を徹底的にやれ。
ディフェンスさえしっかりやれば、勝てるんだ。
守りでは、絶対に休むな。疲れたら攻める時に休め。
そのこぼれ玉を拾って、すぐ速攻に移るんだ。
真剣に守って、相手のミスを待つんだ。
すると、必ずチャンスはやってくる。
防御を最大の武器とする、井川邦彦先生の戦術。指導どおりに、私たちは練習を重ね、ぐんぐん強くなっていった。簡単には打ち破れない、鉄壁のディフェンスを完成させた。
この教えが、そのまま経営に通じるのに気づいたのは、いつだったろう。技術士という立場からいろいろな会社を知り、“守り”のできない企業の多さに驚かされた。
経営者はみな、攻撃=単純な規模の拡大ばかりに熱中して、守り=いかにして効率よく経営していくかについては目の端にも止めていない。
ザルで水をすくうような経営している企業が、あまりにも多すぎる。特に原価計算とプライシングに問題が多い。
このような会社に対しては、私はたいていこう切り出す。
「社長、営業利益率は15%以上ありますか?」
“守り”の大切さを伝えたくて、大勢の経営者の方々を前にしたセミナーで、私はよくスポーツの話をする。
「9回が終わって、30対28で勝つのと10対1で勝つのと、どっちがラクですか?」
と、野球にたとえる。
ハンドボールの話でないところが、もどかしいところではあるのだけれど。
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